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  3. 【保存版】美味しいエスプレッソは水で決まる!軟水がおすすめな3つの理由
暮らし・アイディア
2023-01-24

【保存版】美味しいエスプレッソは水で決まる!軟水がおすすめな3つの理由

近年、おうち時間の増加とともに、自宅でエスプレッソマシンを使ってコーヒーを楽しむ人が急増しています。
「カフェのような本格ラテやアメリカーノを作りたい」
「美味しいエスプレッソの抽出方法を知りたい」
そんな方も多いでしょう。

この記事では、エスプレッソと水質の関係、特に軟水がおすすめな3つの理由を詳しく解説します。家庭用から業務用まで、マシンの性能を引き出す「水選び」のコツを学びましょう。

もくじ

Toggle
  • そもそもエスプレッソって何?
  • 1. そもそもエスプレッソとは?
  • 2. エスプレッソは90%以上が水
  • 3. 水の種類と特徴(硬水と軟水)
    • 軟水の特徴
    • 硬水の特徴
  • 4. 軟水がおすすめな3つの理由
    • 理由1:豆本来の味を引き出す
    • 理由2:バランスの取れた味わい
    • 理由3:マシンを長持ちさせる
  • 5. 蒸留水はおすすめしない理由
    • 味への影響
    • マシンへの影響
  • 6. 自分の地域の水質を調べる方法
    • 硬度の基準(WHO基準)
    • 調べる方法
  • 7. 硬水だった場合の対処法
    • 軟水化の主な方法
      • 1. 浄水フィルターを使用する
      • 2. 軟水化パッドを利用する
      • 3. 専用の業務用軟水機を導入する
    • なぜすぐに軟水化すべきか
    • 今日からできる3ステップ
  • 8. 水を“作る”という選択肢もある
    • 水を作るメリット
    • 家庭での再現方法(簡易)
  • まとめ

そもそもエスプレッソって何?

1. そもそもエスプレッソとは?

エスプレッソは、イタリア語で「特急」や「急速」を意味します。
コーヒー豆に高圧をかけ、短時間で抽出することで、雑味を抑え旨味成分だけを凝縮した飲み物です。
本場イタリアでは、出勤前にカフェで立ち飲みするのが文化で、ドリップコーヒーよりも日常的に親しまれています。

完璧なエスプレッソは、ハチミツのようななめらかさとカラメルのような甘さがあるとされます。

豆や水の量についてはマシンやお店によって異なりますが、ここではスターバックスコーヒーの例を見てみましょう。
スターバックスの場合、エスプレッソ1杯分の分量は30mlです。
30mlのエスプレッソを抽出するために、コーヒー豆を7g・水を45ml使用します。
水の一部がコーヒー豆に吸収されるので、最終的に抽出できるエスプレッソは30mlになります。
一方ドリップコーヒーの場合は、コーヒー豆10gにつき180mlの水を使用しています。
このことからもわかるようにエスプレッソとは、コーヒー豆をたっぷり使用した贅沢な飲み物なのです。

ここで面白い豆知識をご紹介します。
エスプレッソショットは、ダブルショット(2ショット)分を一気に抽出すると味が安定するため、ダブルで落とすことが多いそうです。
もちろん、スターバックスでもエスプレッソを飲むことができます。
エスプレッソは、朝の時間帯に人気のメニューだそうです。
しかも1ショットではなく、2ショット分の「ドピオ」をご注文される方の割合が多いとか。
中には、「ドピオ」からさらにショットを追加される方もいるそうです。
スターバックスでは好きなだけショットを追加できるので、ぜひバリスタに聞いてみましょう。

2. エスプレッソは90%以上が水

濃厚な味わいのエスプレッソですが、そのほとんどは水でできています。

米国農務省(USDA)の栄養データによると、「レストランで淹れたエスプレッソ」は約97.8%が水分であるとされています(出典:ウィキペディア)。
一方、「浸出式のコーヒー(ドリップ)」は約99.4%が水分です(同出典)。

つまり、コーヒーの味を左右するのは豆の種類や焙煎度合いだけでなく、水質そのものだと言えるのです。

3. 水の種類と特徴(硬水と軟水)

水は、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル含有量によって大きく2種類に分けられます。
硬度は、主に炭酸カルシウム(CaCO₃)の含有量を基準としており、単位はppm(mg/L)で表されます。

  • 軟水:一般的に 100ppm 未満(WHO基準では 120ppm 未満)

  • 硬水:100ppm 以上(WHO基準では 120ppm 以上)
    (出典:WHO「Guidelines for Drinking-water Quality」)


軟水の特徴

  • ミネラル分が少なく、まろやかで飲みやすい

  • 香りや風味をしっかり引き出す

  • 日本の水道水のほとんどが軟水(地域や季節で差あり)

硬水の特徴

  • マグネシウムやカルシウムが多く、苦味が強く出やすい

  • ヨーロッパで多く見られる水質

  • スケール(水垢)発生の原因になりやすい

4. 軟水がおすすめな3つの理由

理由1:豆本来の味を引き出す

軟水はミネラルが少なく、コーヒー成分の抽出を妨げません。
そのため、豆の産地や焙煎度による個性—酸味・甘み・香り—がしっかりと表れます。
Specialty Coffee Association(SCA)のガイドラインでも、エスプレッソ抽出には硬度50〜175ppmの水が推奨され、軟水が味わいのバランスを保ちやすいとされています。


理由2:バランスの取れた味わい

硬水ではマグネシウムやカルシウムが酸味を抑え、苦味が前面に出やすくなりますが、軟水では酸味・甘味・苦味が調和しやすく、飲みやすい仕上がりになります。
特に浅煎り豆やフルーティーな香りを持つ豆は、軟水の方が香りが活きやすい傾向があります。


理由3:マシンを長持ちさせる

硬水に含まれるミネラルは、加熱時にマシン内部にスケール(水垢)として蓄積します。
英国水質協会(British Water)の調査では、硬水地域の商業用コーヒーマシンは、軟水地域と比べてスケールによる不具合が約2倍の頻度で発生しています。
スケールは加熱効率を下げるだけでなく、ポンプやボイラーの故障原因にもなります。

5. 蒸留水はおすすめしない理由

「ミネラルが少ないなら、蒸留水が一番良いのでは?」と思う方もいるかもしれません。
しかし、蒸留水はミネラルをほぼ完全に除去した水であり、エスプレッソ抽出には不向きです。

味への影響

ミネラルが全くない水は、コーヒー成分の抽出効率が下がります。
その結果、コクや甘みが不足し、味が平坦で「薄い」印象になります。
Specialty Coffee Association(SCA)も、総溶解固形物(TDS)が0に近い水は推奨していません。

マシンへの影響

一見、スケールが発生しないためマシンには優しそうですが、蒸留水は電気伝導率が低く、水位センサーや加熱制御が正しく働かない場合があります。
これは特に高機能なエスプレッソマシンで起こりやすく、抽出エラーや加熱不良の原因になることがあります。


結論として、適度なミネラルを含んだ軟水が、味・香り・マシン寿命のすべてにおいて最適です。

6. 自分の地域の水質を調べる方法

エスプレッソの味やマシン寿命を守るためには、まず自分の地域の水の硬度を知ることが大切です。
水質は地域・季節・浄水場によって大きく変わるため、同じ県内でも硬度が異なることがあります。

硬度の基準(WHO基準)

  • 軟水:0〜120 ppm(mg/L)

  • 中程度の硬水:121〜180 ppm

  • 硬水:181 ppm 以上
    (出典:WHO「Guidelines for Drinking-water Quality」)

調べる方法

  1. 自治体の水質検査結果を確認

    まずは自治体の水質検査結果を確認しましょう。市区町村の水道局HPや、東京大学が調査した全国の 硬度データ を参考にすることもできます。
  2. 水硬度チェッカーを使う
    簡単な試験紙タイプで、1パックにつき約10回測定可能。
    水に浸して色の変化を確認するだけで、硬度をおおまかに把握できます。

  3. より正確な測定キットを使用
    滴定法のキットやデジタル硬度計を使うと、±1〜2ppm単位で測定可能です。

7. 硬水だった場合の対処法

もし測定の結果、水の硬度がWHO基準で120ppm以上(中程度の硬水〜硬水)だった場合は、エスプレッソマシンや味に悪影響が出る前に軟水化の対策を行いましょう。

軟水化の主な方法

1. 浄水フィルターを使用する

ポット型や蛇口直結型の浄水器には、カルシウム・マグネシウムを除去できる軟水化カートリッジがあります。
例:Brita(ブリタ)、クリンスイなど。

2. 軟水化パッドを利用する

タンク式エスプレッソマシンの場合は、軟水化パッドを水タンクに入れて一晩浸けるだけで、不要なミネラルだけを除去できます。
完全にミネラルをゼロにしないため、味とマシン保護のバランスが取れます。

特におすすめなのが BWT Water Softening Pouch。
BWT(Best Water Technology)はオーストリアに本社を置く、ヨーロッパ最大級の水処理メーカーで、プロ向けコーヒーマシンや飲料水設備、産業用水処理まで幅広く手掛けています。
世界70カ国以上で採用され、特にヨーロッパのカフェやホテルでは定番のブランドです。

BWTの軟水化パッドは、カルシウムやマグネシウムなど石灰化の原因となる成分だけを効果的に除去し、コーヒーの風味を損なうことなく抽出を安定させます。
1つでおよそ100リットルまで使用可能(中硬水の場合)。硬度が高い地域では交換時期が早まることがありますが、目安として約2か月ごとの交換がおすすめです。

3. 専用の業務用軟水機を導入する

カフェや業務用では、配管に直結するイオン交換式軟水機が有効です。
これにより、安定して軟水を供給でき、マシンのメンテナンスコストを削減できます。


なぜすぐに軟水化すべきか

  • スケール(水垢)の蓄積防止

  • マシンの加熱効率低下や故障リスクの軽減

  • 豆本来の香りや風味の最大化

硬水のまま使い続けると、ボイラーやパイプの内部清掃が必要になり、数万円〜十数万円の修理費がかかることもあります。

今日からできる3ステップ

  1. 水質を測定する
    水硬度チェッカーで手軽にチェック。地域や季節によって数値は変わります。

  2. 硬度が高ければ軟水化
    フィルターや軟水化パッドを使って調整。

    補足:市販ペットボトルで硬度の違いを試してみる

    硬度チェッカーがなくても、スーパーやコンビニで買えるミネラルウォーターを使って、味の違いを手軽に体験できます。

    • 軟水(0〜100mg/L)
      • 南アルプスの天然水(約30mg/L)
      • いろはす(約27mg/L)
    • 中硬水(100〜300mg/L)
      • ボルヴィック(約60mg/L)
    • 硬水(300mg/L以上)
      • エビアン(約304mg/L)
      • コントレックス(約1468mg/L)

    同じ豆・同じ抽出条件で水を入れ替えると、酸味や甘み、口当たりが驚くほど変わります。

    「硬度の数字」が味にどう影響するかを体験すると、水質管理の大切さがより実感できます。

  3. 定期的に再チェックして水質を維持
    一度整えた水質も、時間とともに変化します。定期的な確認を忘れずに。

美味しいエスプレッソを長く楽しむために、今すぐ自分の地域の水質を調べてみましょう。
軟水化アイテムはこちらからチェックできます。

 

8. 水を“作る”という選択肢もある

一部のコーヒー専門店や焙煎所では、水質に徹底的にこだわり、水を一から作る方法を採用しています。
具体的には、RO水(逆浸透膜で不純物を除去した水)や蒸留水をベースに、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを少量ずつ加えて、硬度やアルカリ度(pH)を狙いの範囲に調整します。これにより、豆の個性や焙煎度に合わせた最適な抽出条件を作れます。

水を作るメリット

  • 産地・焙煎度に合わせて味のバランス(酸味・甘み・質感)を細かく調整できる

  • 季節や地域差に左右されず、安定した水質を維持できる

  • 不要なミネラルを抑えられるため、スケール(水垢)リスクを最小化し、マシン寿命の延長につながる

家庭での再現方法(簡易)

  • ミネラルパック:Third Wave Waterなどの専用パケットをRO水/蒸留水に溶かすだけ

  • 自作ブレンド:食品グレードの炭酸カルシウムや硫酸マグネシウム(エプソムソルト)を極少量ずつ溶かし、硬度(Ca/Mg)とアルカリ度(HCO₃⁻)を調整

  • 目安:はじめは“軟水寄り”で、総硬度を50〜150ppm程度に収めると扱いやすく、味の差も体感しやすい

「水質を選ぶ」から一歩進んで「水を作る」発想は、味の再現性と微調整の自由度を大きく高めてくれます。上達に合わせて少しずつ導入してみましょう。

まとめ

エスプレッソは、米国農務省(USDA)のデータでも約97.8%が水分で構成される飲み物です。
つまり、豆の品質や抽出技術と同じくらい、水質が味とマシン寿命を左右するということです。

  • 初心者:水質を測定 → 硬度が高ければ軟水化

  • 中級者〜上級者:豆や焙煎度に合わせて水質を微調整、さらには水を作る

  • 共通ポイント:定期的な水質チェックで安定した味をキープ

今日からできる小さな一歩が、毎日の一杯を大きく変えます。
あなたのエスプレッソが、これまで以上に香り高く、奥深い味わいになることを願っています。

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